詩について・対話篇(2017/05)

詩の会――正式な会名は「詩について・対話篇」は、古溝真一郎さんの主催により、隔月で書肆・逆光にて開催されております。経験者のみならず、詩をはじめて書くという方の参加も歓迎です(現に昨晩参加したふたりは初めて詩を書くというひとだった)。Facebookで参加者を募っていますが、ほかSNS上で声をかけてくださるのでも可です。

 

提出した詩を掲載したかったのですが諸事情あり、後日あらためて掲載致します。その際はご笑覧頂ければ幸甚。

巡礼の年

周囲に影響されて、これさいわいとブログを一新した。
以前もひそかに不定期でブログを書いていたのだが、ひとつひとつの記事を長くしてしまう悪癖の所為で程なくして年末以外は更新しなくなってしまった。なので今回は日記くらいの心もちで更新したい。またやり直しだ。

 

ブログの表題はリストから拝借した。
正式には、<Sunt lacrymae rerum/En mode hongrois>という曲名で、「巡礼の年」という独奏曲集に収められている。リストの20代から60代までに渡るあいだに印象的だった風景や経験を書き留めたものらしい、Instaglamに写真をリアルタイムでアップロードしたり、Facebookに旅行記を綴るような営みの音楽版といったところだろうか。

リストはそれを出版した。あらゆる角度から支えられて、その音楽はともかく西暦2000年をまたいだ現代でも猶、ひとびとに演奏されている。
この文章が日の目を見ることはたぶんないだろう。うつくしい旋律の為に書くのではないし。


一方で、ナポレオンの1809年の戦役に従軍した兵士たちの回想録――殊に兵卒の回想が歴史の色眼鏡、定型に侵されていない為に却って戦争のリアリティを伝えているという例もある(そこで描写されるナポレオンは「炯々たる眼光」の持ち主としてではなく、ただ屋根の上に望遠鏡を持って上がった元帥に大声で叫んでいるおっさんであったりする)、と、なんだか大げさな例えを持ち出したが、不定型なものを不定型なものとして書くという誠実さくらいは履行したいものだ。