道南旅行記 小樽→ニセコ(20170828)

記憶が薄れてきている。 知らない街に宿泊した翌日はつとめて朝はやく起きて散歩するようにしている。母から教わった習慣だ。おさない頃、割に旅行する家庭だった。彼女はほんとうに旅行が好きなのだろう。それはこんな習慣として、しだいに似る箸の上げ下げ…

道南旅行記 札幌→小樽(20170827)

朝に友人に駅まで見送ってもらい、別れたあと札幌近代美術館に行く。ゴッホ展をやっているという。開館前の時間だというのにひとが幾らかいる。東京では新宿に行けば見られるのだけれど、地方はそうではない、その熱気に、期待を膨らませたせいで寝不足のま…

道南旅行記 東京→札幌(20170826)

10:10分離陸の飛行機に間に合うだろうと8:30分頃に高を括って家を出たら、来る電車の塩梅で09:58に着いた。成田空港の腸のようにうねった広い通路を息を切らして走った。間に合うわけもなく。事情をカウンターの受付に話すと、計らいにより二時間後の飛行機…

犬をイヌと

徹夜で本を読み、映画を観て、窓が水色に色づく時刻にねむりについた。夕方に起きる。ものがなしげな音楽と共に、スピーカーがすこし割れた声で、外で遊んでいる子どもたちに帰宅をうながしていた。図書館に本を返しに行く。 家を出て、墨堤通りへと交るふた…

明日への言い訳

水曜日、仕事の帰りに微々たる量の宝くじを買った。ほんとうはスクラッチを買おうと思っていたけれど、売り切れとのことだったので仕方なくそうした。なんでもよかった。 先週の木曜日に自販機で当たりが出たさいに職場の上司に、おお良かったやん、ついでに…

詩「円」

以前に書いた詩を某詩手帖に投稿し、落選しました。 その詩が、以下になります。 https://www.dropbox.com/s/7c6y6bhw467jbgk/%E5%86%86_%E5%BD%A2%E4%BB%A3%E5%BE%8B.pdf?dl=0 結果はどうあれ現時点では自分の書いた詩のなかでは最良の部類なので一読頂けれ…

光、再考

嗜好、と呼ぶにはいささか頼りないものの、部屋の光量にはささやかな執着がある。はやい話、わたしは白色蛍光灯の光が苦手である。明るいほど駄目だ。まず目に痛い。人伝に聞いたところでは自律神経の不調というが、どうだか。 部屋の光量について理想の建物…

語りの核、M氏の家

正面玄関に行くまでにふたつの門をくぐらないといけないんだけど、最初の門が150センチくらいしかないので、大人は首をかがめないといけないのね。上下のしきたりはとにかく厳しくて、上座と下座に分かれて、下座の人間がむやみに上座のほうに足を踏み入れる…

いちばん好きな曲は「バーモント・キッス」だけど

家庭環境の変わる高校三年生までは正月を家で過ごしたことがなかった。一度もなかったと思う。いつからはじまったかは知らないがものごころついた時分には、夏と年末年始の年二回、山口県某市の宿、というかいまでいう国民宿舎みたいな場所に、3泊四日ほど…

2017SS Book 1~10

2017年の1月から6月30日までのあいだに読了した本で、よかったものを適当に10冊程度を列挙する。 ・言葉(J・P・サルトル)・後宮小説(酒見賢一)・カンディード(ヴォルテール)・雲雀(佐藤亜紀)・陽気な黙示録(同上)・三角みづ紀詩集(三角みづ…

傷が好き

『灰羽連盟』を観た。あらすじは興味のある方が検索してください。 レキが好き、という一言に感想は尽きる。作品世界(オールド・ホーム)に生まれて間もないラッカにおもて向きは甲斐甲斐しく世話を焼きつつ、内心では勝手にその行いを自分の罪滅ぼしの為の…

聴こえない、鳴っている、

立川が遠い。 東京都足立区在住の人間の愚痴である。足立区が時計で喩えて1時を指す短針のほぼ先端だとすれば、立川は9時を指す長針のこれも先端だと言うことが出来よう。実際、両エリアは県境にも近い。東京の一極点から、もう一方の極点への移動。わたし…

本当はタルコフスキーがさほど好きでもないんだ

Tさんに借りた『灰羽連盟』を、あと一巻で観終わるのでそれについて書こうという心づもりだったけれど、さっきまで寝ていたので次回に預ける。昨晩はタルコフスキー『ノスタルジア』を観て疲れたし。 一応、タルコフスキー映画について扱った本まで読んだの…

(サ)マータイム

一冊の詩集に三年もかけるなよ。金が無い? じゃあ金があったら毎年三冊出せるか? 俺は出せるよ。だからなあ、金をくれ俺に。俺ら一家に。経済的自立なんてどうでもいいねん。 松本圭二『アストロノート』より 詩集を作るというのはかなり物入りである、ら…

いつまでも子供のままで

Syrup16gが『Copy』をリリースしてから16周年だと聴く。最近また『Copy』を頻りに聴くようになった。特に「She was the beauteful」と、「無効の日」を。時にはイヤホンを耳に突っ込んでいなくても聴こえる。気怠いイントロがつい脳裡に浮かぶ。 仕事の研修…

詩について・対話篇(2017/05)

詩の会――正式な会名は「詩について・対話篇」は、古溝真一郎さんの主催により、隔月で書肆・逆光にて開催されております。経験者のみならず、詩をはじめて書くという方の参加も歓迎です(現に昨晩参加したふたりは初めて詩を書くというひとだった)。Faceboo…

巡礼の年

周囲に影響されて、これさいわいとブログを一新した。以前もひそかに不定期でブログを書いていたのだが、ひとつひとつの記事を長くしてしまう悪癖の所為で程なくして年末以外は更新しなくなってしまった。なので今回は日記くらいの心もちで更新したい。また…